転校した時に、就学支援金がいくら使えるの?と質問をよく受けます。
就学支援金の正式名称は「高等学校等就学支援金」です。以下「就学支援金」と書きます。就学支援金のそのもの説明はネット上で他の方の書いている記事を参考にしてもらえればいいかと思います。ここでは、具体的な話をしたいと思います。
「支給期間」と「単位数」の2つの切り口で見ていく必要があります。
具体例1)
高校2年生7月1日付で、全日制から通信制に転校
①支給期間
全日制は36ヶ月(3年)、通信制は48ヶ月(4年)と決まっています。
この場合、2年生の6月30日までの15ヶ月を全日制で使ってしまったことになります。
全日制と通信制では支給期間が異なりますので、通信制に転校した時の支給期間の計算方法があります。(下記の計算方法となります。)
48ヶ月(通信制)-15ヶ月×4/3=28ヶ月
※3分の4をなぜ掛けたかというと、15ヶ月分を通信制として換算しますよ、だから15ヶ月より増えて期間が消費されますよということです。(36ヶ月分の48ヶ月(48ヶ月÷36ヶ月)ということです。)
通信制の「48ヶ月」から全日制に在籍していた「15ヶ月間」をそのまま引くということではないのです。
割合で考えるのです。
48(通信制):36(全日制)=X:15ヶ月
x=20ヶ月 通信制に換算したら、20ケ月在籍していたこととなるため、
48ヶ月ー20ヶ月=28ヶ月残っているということになります。残りが2年以上あることになります。
次に単位数を見ていきましょう。
②単位数
通信制も全日制も74単位までと決まっています。
※今回の場合、全日制1年間で30単位修得するという前提で話します。
1年生の時は30単位を修得しました。2年生の時は30単位を申請しています。
2年生の6月30日まで全日制で在籍のため、30単位申請していますが、転校したことにより、3月までいなかったので、
使われなかったことになるのです。
そのため、1年生の時に使った30単位は使用済みとなり、2年生は使用していないことになって、残りが44単位分残ることになるのです。
この生徒は、期間は28ヵ月、単位数は44単位数、残っていることとなります。
転校してきたとしても、卒業まで十分に支援金が使える状態です。
年度の途中での転校の場合は特に心配する必要はありません。
今、転校するともったいないなと思う時があります。それが具体例2)です。
具体例2)
高校1年生の時、30単位修得して、2年生になりました。
高校2年生に30単位履修しました。12ヶ月間(3月まで)在籍していたけれども、体調を崩して単位が1つも取れませんでしたという場合です。
①支給期間
全日制に24ヶ月在籍していましたので、計算式は下記となります。
48ヶ月-24ヶ月×4/3=16ヶ月
16ヶ月(1年と4ヵ月)残っています。1年間で44単位修得できれば、同じ学年の人たちと卒業が可能です。
②単位数
支給期間は1年以上残っているのですが、単位数が60単位使ってしまっているのです。
具体例1)と違うのです。
ここで、わかっていてほしいことは、
単位を修得しようが、落とそうが関係がないのです。年度末まで在籍しているので、消滅してしまうのです。
具体例1)のように、2年生の途中で転校していたら、履修が満了していないので使われていない状態で転校できるのです。
そのため、残り14単位分しか使用できないと言うことになります。
74単位を修得しなければならないため、残り44単位(74単位―30単位)修得しなければなりません。
14単位分は支援金の使用可能で、残り30単位は支援金の使用できない状況となるのです。
この状態の時、いつももったいないと感じてしまいます。
ただ、この時でも下記の制度が使える可能性があります。
※学び直し支援金というのもあります。支給期間や単位数がなくなっても、支給できるかもしれない制度です。下記は文科省からの抜粋です。
※下記は、平成26年4月以降の入学者が対象となります。
高等学校等を中途退学した者が再び高等学校等で学び直す場合に、法律上の就学支援金支給期間である36月(定時制・通信制は48月)を経過した後も、卒業までの間(最長2年)、継続して就学支援金相当額を支給する制度です。なお、制度の詳細については、進学先(在籍する)の学校の所在する都道府県にお問合せください。
具体的な例でみてきました。
その年の学年の最後まで在籍していたかどうかがポイントです。
3月31日まで居たら、単位を修得してようが落とそうが満了しているので、使われたことになります。
年度途中、例えば7月に転入する場合は、満了していないため、使われたことになりません。
通信制高校に転校を検討しているご家庭は参考にしてください。詳しくは、見学・入学相談で聞いてみてください。ただ、知識を持って聞くのと、全く知識を持たないで聞くのとでは理解度やその学校の先生の話している内容の正誤がわかりますので、基礎知識は知っておいてください。(案外、就学支援金の制度は通信制高校の方でも理解していません。)
